21年目のストレイテナー
2019年1月19日、九州からはるばる幕張メッセまでストレイテナーを見に行った。
テナーを見に幕張へ足を運ぶのは2007年のLINEAR MOTER CITY TOUR以来になる。
思えば2004年、ROCK IN JAPAN FES.で初めてストレイテナーを見てから15年の月日が経っていた。
チケットがとれたのはアリーナが売り切れてしまった頃だった。
テナーが4人体制になってから色々な事情でなんとなく足が遠のいてしまい、
MY NAME IS~も地元は見送りだったため、スタンドでのんびり見ようということに。
ずいぶん上手側だったけれどバックスクリーンもほどよく見えるいいポジション。
しかしながらなんだか人がひしめき合うアリーナを見ていて物理的にもひどく遠いところまで来てしまったな…と思った。
前半のブロックで印象に残ったのはDAY TO DAYだった。
20枚目のシングルで歌詞がとても好き。誰かに語りかける様に歌うホリエの姿が印象的だった。
「僕の全てを捧げようとしても 君の全てを知ることはできない」
というフレーズは人の心は誰のものにもなれないし、ならないことの真理に哀愁を感じる。ホリエはこの曲でやっと緊張が解けたと言っていたけれど、どんな気持ちを込めていたのだろう。
サブステージに移動後は、なごやかなMCが続く。
ナカヤマはSNSを始めてから漫画好きを全く隠さなくなってから、ファンとの距離感がぐっと縮まった様でとてもほわほわしていた笑
スピーカーが遠いからか、ホリエはリズム取りにくそうで、時折ナカヤマの姿をみながら歌っていた。全然関係ないけど、昔長崎のライブハウスでめちゃくちゃキーの外れたDJROLLを聞いたことを思い出した。
DISCOGRAPHYはやっぱりいつ聴いても盛り上がる!
THE REMINDSに収録されてる曲は3曲ともキラキラしていて良い。ピアノが入るまでライブのセットリストを支えていたようなものだし。
メインステージに戻ってからはゲストの秦さんと2曲。
このコラボらへんはテナーから離れていた時期でもあったから、新鮮な気持ちで聴いていた。
長い間見てきて思うことはホリエ交友関係の広さ。
年上に可愛がられ、年下に懐かれる。ナカヤマはまた彼特有のくったくのない可愛さがあるけれど、人に好かれる才能があるんだなあと思う。
殺伐としたライブをしていたころはナカヤマも別のバンドに入ったりしていたから二人の仲が疑わしかったけれど、最近はよく2人でしゃべる姿が見られるし、本当に仲いいんだな~と安心する。
そんなほどよい距離感のある2人だからこそ3人になっても4人になっても変わらない雰囲気で続けられている気がする。
「これからも4人でストレイテナーを続けていく」
REMINDERを聴きながら、はじめてテナーを見た時のことを思い出していた。
LAKESTAGEの、GOING UNDER GROUNDやクラムボン、椿屋四重奏にsyrup16gなどと一緒に名前を連ねていた。野外で聴くREMINDERは後にも先にもこれしかない。
SPEEDGUNのベースに聞き惚れ、まだLOST WORLD ANTHOLOGYしか知らなかったから、帰りにTRAVELLING GARGOYLEを買った。
おそらくもう聴くことは出来ないborn slippyはDISCOGRAPHYにダンスチューンの意志を引き継がれている。
それ以来、2005年のTITLEツアーから2007年位まではガッツリとテナー漬けだった。
Dear Dead Man TourからLINEAR MOTOR CITY TOURは九州はもちろん広島・岡山まで足を運んだ。がっつり騒いで美味しいものを食べて、夏フェスは北から南まで。綺麗な景色をたくさん見てきた。最前列でがっつり聴くこともあればモッシュでもみくちゃになったり…
あの時の一体感や熱さはあの時独特の雰囲気でもあった。
ライブハウスに通うと顔見知りや友達も増えたし、中には今でも連絡を取り合う人もいる。
4人編成になった時は音楽自体も変わった気がして音の重厚感が増したはずなのになんとなく居心地が悪くなっていた。
とはいえLEAP IN THE DARKとか繰り返し聴くほど好きな曲はあるからテナーが変わったのではなく、私がきっと変わったのだと今では思う。
けれども、ライブハウスから遠ざかっていた今、スタンドから4人を見ながら、REMINDERを聴き、原色(この流れが憎い!)に耳を傾けると、メロディの美しさにOJが入って本当に良かったと初めて思えた。
最後にホリエは「一度(テナーから)離れてしまった人ともどこかでまた出会える
ように、音楽を続けていく」ようなことを言っていた。「自分を裏切らない音楽を」とも。
ホリエの作る音楽は今も昔もいつもまっすぐだ。歌詞も時間や人との出会い、前を向いて進む人を描いている。
昔の喧嘩みたいだったライブも今のたくさんの人たちと歌うライブも伝えたいことは一緒だし、懐かしさを思い出し新しさを見つけられる楽しさを20年という時間は作ってくれた。
「ありがとう」とか感謝の言葉も昔はファンから伝えてばっかりだったけど、今はちゃんと返してくれるし曲にもしてくれる笑。うらやましいくらいに笑
いまだに「好きなバンドはストレイテナーです」と言ってもなかなか分かって貰えないことが多々あるけれど、暇を見つけたらテナーのライブに足を運んでみようと思う。
21年目も影ながら応援しています。